ただ、一緒にいたい
「あずちゃん、これは?」
「あ、ほんとだ!素敵!どうしよう…迷っちゃうね!」
今俺と愛月は、ジュエリーショップに来ている。

「ペアリングが欲しい」
と愛月が言ってくれたから。
そんな嬉しいおねだり、大歓迎だ。

「あっ!」
「ん?どうした?いいのあった?」
「う、ううん。彰くん、あっち見てみよ!」
そう言って繋いでいた俺の手を、引っ張る。
「あずちゃん?なんかいいのあったんだよね?どれ?」
「違うよ!」
明らかに、嘘をついている。

「あずちゃん?教えて?」
「………」
「愛月?どれ?」
「ずるいよ…こんな時に“愛月”って呼ぶなんて…」
「愛月が言わないからだよ!どれ?教えて!」
「あそこにあるピンクとブルーのやつ…」
それはピンクゴールドとブルーゴールドのペアリングだった。

「あーあれね!だったら、それにしよっ!」
「え?でも、値段が………」
「え?そう?大丈夫だよ!」
「でも他のより“0”が一個多い…」
「いいって(笑)気に入るものじゃないと、意味ないし何よりあずちゃんが欲しいなら、それがいい!」

「そうだね…ありがとう!」
「どういたしまして!」

「何かメッセージ入れましょうか?サービスで出来ますよ!」
「あずちゃん、入れてもらおうよ!」
「そうだね!じゃあ―――――」

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