ただ、一緒にいたい
「彰!!やめろ!!!」
兄貴が俺の肩を持ち止めに来た。
「離せ!!」
「ほんとに死ぬぞ、ミナが!」
「あ?殺そうとしてんだよ!!」

「あずちゃんとの約束思い出せ!!」

愛月――――?
約束?

【命を粗末にしない!約束だよ!】

「あずちゃん?」
手の力が抜け、ズルッとミナが下に落ちた。
「彰。あずちゃんの傍にいたいんだろ?だったらダメだ!」
「あぁ」
「早く傍にいてやれ…!」
「あぁ」
途端に身体の力が抜けた。そのまま俺も床に崩れ落ちた。

そこへスッと岸が来て、
「彰様。車へどうぞ」
「あぁ、兄貴。後は頼む……」
「はぁーい!」
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