ただ、一緒にいたい
「彰様、着きました」
「ん」
岸が車のドアを開ける。

「行ってらっしゃいませ」
「あぁ」
あー。つい、岸達に当たってしまった。
愛月があんなこと言うから。
あんな嫉妬させるから。


「あーーー、もう!!!」
「なにむしゃくしゃしてんの、彰」
「あ?」
「あ?じゃねぇーよ!あずちゃんと喧嘩した?」
「は?」
「あり得ねぇか!お前等が喧嘩とか!」
「うるせーよ!」
「じゃあなんだよ!ウザいよ!」
「止まらないんだよ!」
「は?」
「愛月のこととなると」
「だから、何?」
「兄貴は好きな女いないの?」
「いたよ」
「いたって?」
「今はいない」
「は?」
「この世にな」
「………」
「大事にしろよ、あずちゃんを」
「当たり前だよ!」

そうだ、大切なんだ。だから怖い。
他の男のとこに行ってしまわないか……。

好きすぎて、死にそうだ――――
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