HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
「貴方の叔母さんは怖い物知らずだな…愛する俺の妻に怪我させておいて…唯で済むと思うなよ…」

「紡さん…叔母に代わって…俺が謝りますから…」
彼の妻・陽依さんへの寵愛は有名で。
「そうよ…紡さん…あれは事故よ…」
「事故とは言い難いな…あの人ワザと陽依にコーヒーかけただろ?俺は現場を確かめた。陽依の役目は終わりだ」
「紡さん…院長室に隠しカメラを設置したんですか?」

「そう言うコトだ。これ以上、陽依に危害が及ぶのは避けたい。俺が秘書を務めるから…君は新会社設立に奔走する柊たちの手伝いをしてくれ」

「…そんな…」

「静佳さんは本気で伊集院家をこの病院から追い出したいようだ。なら、こっちも受けて立つぞ…」

「…紡さん…」

彼はあからさまに怒った表情をみせなかったけど、返ってその方が強い怒りを感じて、言え知れない怖さを生み出していた。
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