いやな、やつ



首を傾げる倉持に対し、ニッコニコの私。

邪魔者はここで退散させていただきますか。



「じゃーね倉持、頑張って!」


背中を押す意味も込めて
倉持の肩をぽんと叩き、背を向ければ



「お、おい待てよ!」


焦ったように手を掴まれてしまった。



「え?な、何?」

驚いて振り返れば、倉持は明らかに目が泳ぎ、様子が変だった。



「頑張ってとか、お前わけわかんねぇこと言ってるけど…俺はお前のことを待ってたんだよ」


「は?私?」


倉持が?私を?なんで?

気持ちが表情に出ていたのか


「なんでお前はいつもそーなんだ…」


と倉持に大きなため息をつかれてしまった。


どゆこと?!


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