いやな、やつ


ぽかんとしていると、倉持は長い足を前に踏み出し、私の隣に並んだ。

顔が「帰るぞ」と言っている気がする。



「あ、ちょっと倉持!」


倉持は掴んだ私の手をそのままに
背を向け歩き出す。


私は少し乱暴に引かれる手に流されるように背中を追った。



「倉持!説明!説明プリーズ!」


「もう遅いから、送ってやる」


「まだ夕方ですけど!」


「うるさい、黙れ」



はぁぁぁ?!なんなの?!


さっきまでの雰囲気はどうした!



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