あなたしか知らない
♢10
あの後、あっさり『出来た』
と言っても、楓にはそれがどうなのかはよくわからない。
「楓を愛してるからかな」
と真一は言う。
でも、
「ありえない、ものすごく早いと思う」
と彼は気にしている。
「早くて何がいけないの? 」
と聞いたら、プライドが傷ついたのか、ムスッとした。
「真一が与えてくれるものだけが欲しい」
と楓は言った。
何かが欲しいのではなく、逆だ。
真一を経由したものが欲しい。
真一がくれるものだけが楓の欲しいものだから。
楓は、真一しか知らない。
♢
数年後
今日は、お互いの両親が、真一と楓の家に遊びにきていた。
2人の間に生まれた3人の子供達が、祖父母に何やら見せたり説明したりしている。
特に長男は真一にそっくりだった。
楓が想像していた、真一の小学生の姿になるのは一年後。
まさに、あたたかい家庭だった。
子供に恵まれたのは、余りある幸せで、毎日何かに感謝してしまうぐらいだ。
そのかわり、というか、それでも、というか、何が起こるかなんてわからない。
ただ、楓は真一を愛していて、人生に覚悟があると言うことだけだった。
あの後、あっさり『出来た』
と言っても、楓にはそれがどうなのかはよくわからない。
「楓を愛してるからかな」
と真一は言う。
でも、
「ありえない、ものすごく早いと思う」
と彼は気にしている。
「早くて何がいけないの? 」
と聞いたら、プライドが傷ついたのか、ムスッとした。
「真一が与えてくれるものだけが欲しい」
と楓は言った。
何かが欲しいのではなく、逆だ。
真一を経由したものが欲しい。
真一がくれるものだけが楓の欲しいものだから。
楓は、真一しか知らない。
♢
数年後
今日は、お互いの両親が、真一と楓の家に遊びにきていた。
2人の間に生まれた3人の子供達が、祖父母に何やら見せたり説明したりしている。
特に長男は真一にそっくりだった。
楓が想像していた、真一の小学生の姿になるのは一年後。
まさに、あたたかい家庭だった。
子供に恵まれたのは、余りある幸せで、毎日何かに感謝してしまうぐらいだ。
そのかわり、というか、それでも、というか、何が起こるかなんてわからない。
ただ、楓は真一を愛していて、人生に覚悟があると言うことだけだった。


