メガネをはずした、だけなのに

 歩き出そうとする相葉くんに、私は声をかける。


「まって!」


「放課後の会議を、忘れないでくれたまえ」


「うん……」


 私のことを追いかけ回してた相葉くんが、なぜか黙って立ち去ってく。

 直前の参加でもいいからと、賢斗くんを説得してくれるのかな。

 でも、二人は相性が凄く悪そうに見える。

 できれば、賢斗くんのことは、そっとしてほしいのだけど……


 相葉くんは、賢斗くんが欠席する理由を知ってるみたいだった。

 だとしたら、私に探りなんて入れないよね。


 廊下で溜息をついた私は、教室に向かって歩きながら小さい声で独り言。 



「やっぱり、相葉くんは色々とめんどくさいな……」




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