LIONの許婚
悠里はベッドの布団の中で
ドタバタバタ足をフル
まるでプールでクロールでもして
いるように。


「フッヤキモチか!
可愛いな‼」

ムカア
「ヤキモチ?そんな単純なモノじゃない‼
私は本気‼
11月にはココ出るし、あと8ヶ月
の許嫁何だから
アンタが誰と見合いしょうが
何にも言わない‼」


「なーんだ、そんな心配か‼
安心しろ‼
悠里は手放さない‼」


ムカア、ナンジャト…

「だから、聞いてたか?
悠里は手放さない!
寝惚けた事言うな‼」

「見合いした奴が言うな‼」

すかさず悠里も揚げ足を取る。
桜祐も慌てて弁解する。

「だから、違うって
見合いじゃなくて花見ダヨ‼
ソコ間違うな!
桜哉も居たって言ったろ‼

ただ紹介されたダケ‼」


「なんて?」
ぐーっと顔を近づけて
じーっと見てくる悠里は

「なんて?紹介されたの‼
一語一句間違えないように
言え‼」
と言って来る。


「お前なぁ俺お前より8歳上
物言いに気をつけろ!」


「すみませんでした。
それでは説明して貰えますか
桜祐さん。」


「だから・・・
松阪ホールディングスの
長女だ・・・って‼」

「だけ?」


「歳は26だとか言ってたな‼
あと趣味がどーとか、こーとか‼」


「そうでしたか!
何となく分かりますよ。
それを見合いって言うんで
す‼」

「・・・」

「何時までそんな他人な
話し方するん?」

「あら~(ꐦ°᷄д°᷅)ハァ年上には敬語が
必須ですもの‼
御存知ありませんでしたかぁ⤴?」


「わかった~分かった
ハイハイ年上関係ない
俺と悠里は許婚だし、いづれは
夫婦カンケー。
普通に戻せ‼」


「ケッ💢なら最初から言うな‼
マジイラッと来るし‼
しかも、ふーふ?
見合いしたヤッが言うセリフか‼」



「見合いじゃねーって‼」


「・・・・」

桜祐は誤解と連呼するが悠里は
( ˘ ˘) ツーン
2人の間に気まづい風が🍃


「悠里、抱っこしてやる。」
桜祐はニッコニコ

え‼抱っこ💕︎パアァ‼

ブンブン騙されるな‼
除け者にされつつ育った悠里は
この抱っこに弱い事を桜佑は
知ってる。

小さい頃から親に抱っこされている
近所の子供がそれは、それは
羨ましかった。

手を伸ばしても育ての両親は
バシッと叩くだけで甘やかしては
くれなかった。


「ホレホレ ホレホレ」
桜佑はベッドの上で胡座をかき
悠里を誘う。

悠里は抱っこが好き
桜佑の首に手を回ししがみつくのが
大好き‼

ペッタンコにくっつくスキンシップ
が大好き‼。

『餌だ
これは、なあなあに持ち込む桜祐の
作戦‼か‼
釣られたら駄目━‼』


「う・・・」
悠里はどうするどうするグググ
耐えきれずカレイが砂に潜る様に
悠里も布団に潜り目を光らせる。


桜祐も考え用じゃこんな悠里を
あてがわれて迷惑かもしれない。
しかし、腹の虫が収まらない!


桜祐は素潜りした悠里の足を引っ張り
ズズズ━━━━━━ズ‼
悠里を引き出すと
ヨッコラショ
悠里の体を反転させ抱っこした。

悠里は、不貞腐れたまま
桜祐の肩に顎を乗せる。

ギュッと抱きしめられ
妙な安心感に包まれる。
この温もりは・・・永遠じゃない
流されたら泣きを見る‼



幼い頃から
「悠里、アンタは桜祐さんの
嫁になるんだ。
そしたら私達に親孝行するんだよ!」

そう言われて育ってきた。
桜祐は私をこの泥沼から引き出して
くれる唯一の光だった。


「私には桜祐が道標だった。」


そう小さく呟いた悠里の言葉は桜祐の耳にも届いていた。

「ダロ‼
悠里、俺と許婚じゃなくなったら
こんな事してあげないぞ‼」


「桜祐には何のメリットも無いし
私を捨てた方が身のためだよ。
お爺様の仰る通りだよ。」

「はああ~つ
今日の事は悪かった。
悠里、安心しろ‼」


「駄目、私のバックには
金の猛者の毒親が居るし
桜祐の為にならない。

あの人達と居た私が
言うんだよ。

寂しいけど、お見合い相手と
つきあいなよ。
お爺様が正しいと思う。」


ギュッと抱き締められ

「なんだ‼
今更‼」



「桜祐にお金借りた時
言ってたよね。
お前の親は良く金を借りに来る
って、多分今も来てるんでしょ。」


「そんな事悠里の心配する
事じゃないだろ‼
子供の癖に‼」


「ゴメン桜祐
働き出したら私頑張って
返すから。」


「プッ、相当な金額だぞ‼」

「それでも、頑張るから‼
親の為じゃ無いよ!
桜祐に悪いから返すんだよ。」


桜祐は悠里の頭を軽くポンポン
癒されてるのは悠里だけでは
無さそうだ‼


「悠里、二十歳迄はお前の
兄貴でいてやるぞ‼
甘えていいんだからな‼」


ええっ!許嫁から兄貴に
変換?って事ぉ~
そしたら許嫁は、破棄?


「い、いいよ、」



「そう、兄貴役に徹底してやる
二十歳までな‼」




今度は兄貴レンタル?
甘やかされて風だけど期限付き┅
馬鹿にしてる?

「あ、兄貴なんか要らない‼」

「うん?」

「だっ、だから要らない!
あ、兄貴なんか・・要らない!」


悠里は桜祐をパッと離れ又素潜り
しょうとしたが
後ろから抱えられジタバタジタバタ

「は、離せ、離して‼」


「ハァチュッ💕悠里」
へ?


「好きだ、我慢するには
二十歳まで兄貴になるしかないだろ‼
悠里が許すなら!」

バッ、プックラ丸い顔で悠里は
振り向いた。

桜祐の顔が赤くなって
目頭を抑えていた。

「我慢しなくていいってことか?
悠里‼」


ゲッ!!いやいやいや
「が、我慢してよ‼
そんな事なら兄貴に昇格、昇格‼」


「悠里、ギュッ
二十歳迄しか待たないぞ!
我慢は終わりだ‼
のあとは┅」


「エッ‼後は・・・・」
桜祐の熱い吐息が悠里の耳から首
筋を撫でる。

「俺達は許婚なんだ、
何があっても許されるんだぞ‼」


「桜祐・・・・許婚は辞めたんじゃ?」

「辞めたのを辞めたって言っただろ!」

又悠里はパッと振り向き桜祐を、
(〃ω〃)見た。

「あ、れあれは本気なの?」

「悠里は嫌か?」


「嫌じゃな━━━━━い‼」
とつい言ってしまった。
毒親の事も頭から飛んで悠里は
本気の気持ちを言ってしまった。


「見合い相手は怒り狂って
帰ったらしいぞ!」



「え?なんで?」


「なんでだろうなぁ
分かんないやハハハ」




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