クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
 樹の桃華への溺愛は日ごとに増している。

 三笠の件が片付き父親にも紹介済み。そして、信頼している秘書の藤堂も知ることとなった今、樹には隠す必要がないのだ。

 一日置きだった桃華への誘いも、最近では毎日になっている。食事をしたり、桃華を家まで送るだけだったり。桃華は送ってもらうのは申し訳ないと何度もお断りしたのだが、桃華とのドライブが楽しいし、嫌なら同棲しようと樹に言われ、それ以来断れなくなったのだ。

 終業後、この日もいつものコンビニで待ち合わせる。

「樹さんお待たせしました」

「全然待ってないよ」

「今日はどうしますか?」

「ちょっと付き合ってもらえるか?雅紀が社外で改めて桃華を紹介しろって煩くて」

「私で良ければ」

「じゃあ乗って」

 毎日のように樹に会い、今まででは考えられなかった日常が、当たり前になって来ている。もう、樹の隣にいない自分は考えられないと桃華は思う。

 最初は、男前の副社長の存在に緊張からドキドキしていたが、今は樹の仕草や言葉にドキドキする。

 恋愛初心者の桃華も、自分の気持ちに気づき始めている。

 絵理香にも、桃華は素敵な恋をしてるんだよと言われた。

 焦らず待ってくれる樹に感謝する。

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