クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
「ああ。三笠社長すみません。私が呼んだんです」

「どうぞお入り下さい」絵理香が室内へ促す。

 皆が注目する中、現れたのは……

「原田社長と奥様⁉️」慌てたのは三笠社長。

「お邪魔してすまないね」

「どういう事だ⁉️」

 三笠社長が三木谷社長に詰め寄る。

「樹のお相手は私よりも原田夫人が仲良くしてましてね」

「はあ⁉️」信じられない面持ちだ。

「そうなの。素敵な子なのよ。もし、何かあればすぐに私を呼んでちょうだいと明くんに言っていたの。まさか、こんな早くにお呼びが掛かるとは思っていなかったけれど、言っておいて良かったわ」

 原田夫妻の登場に驚く。藤堂は、桃華と原田夫妻の関係を知らないので驚きしかない。

 三笠社長と秘書も、原田夫妻を怒らせテナント契約を切られると会社の存続が危ぶまれるため、口を出せない。今までの強気の三笠はもうどこにもいない。

 無知とは恐ろしいもので、非常識な娘の発言が今後の三笠の運命を狂わせるかも知れない事態になる。

< 96 / 173 >

この作品をシェア

pagetop