転性悪役令嬢~昼は少年、夜は少女~破滅フラグ回避頑張ります
 生徒の何人かがまた下を向いた。
 そうして、心を折っていくのかっ!
 ソフィア先生はこうして心を折られてあきらめてしまった子供たちの姿にずっと心を痛めていたに違いない。だからこそ、理想の学校を作りたいと……。
「運よく、剣術大会で学年3位だったからといって、まさか、Fクラスが最下位を脱出できるとでも?」
 うつむきがちになる生徒の数が増えていく。
「バカな夢を見て将来を棒に振らないように、私は親切で言っているんですよ。無駄、無駄、無駄、無駄だと!Fクラスが何をどうしたって、無駄だとね!」
「うるせーなっ!ごちゃごちゃと!俺たちは、劣ってるんじゃねー!少しだけ上のクラスよりも学ぶことが多いだけだっ!」
 うおう、マージがカッコイイことを言った。
「俺が学ぶべきことは、答案用紙に名前を書くことと、授業の前にはトイレに行くことだっ!これで、俺は上のクラスの人間に追いついた!劣ってねぇ」
 マージが叫んだ。
 ……カッコいいことじゃなかった。
■75
「うるさいですねぇ」
 教頭先生がマージの胸倉をつかむ。
「先生に逆らうとどうなるか、知らないんですか?それならば早急に学ぶべきです。イエローカード3枚で退学です。どこの中等部へ入りなおそうが、一度退学になった生徒は高等部へは進むことはできません」
 教頭先生がマージを乱暴に床にたたきつける。
 床に倒れたマージの上に、1枚のカードを落とした。
「イエローカード、1枚」
 教頭先生がにやりと笑った。
「教頭先生、取り消してください。先生に逆らうというのは、先生の言いつけを守らずに人に危害を加えるたり、危険な行いをしたり、先生に暴力を振るったりした場合ですよね?今のはそのどれにも当てはまりませんっ」
 ソフィア先生が、すぐにマージに駆け寄りイエローカードを拾うと教頭先生に突き返した。
 教頭先生はちょっといやそうな顔をしたが、すぐに気を取り直したのか生徒をディスることをやめない。
「ソフィア先生の言う通りですよ。なぜ、先生に言わせるんでしょうね?校則、読んでないんですか?これだからFクラスの生徒は……」
 イエローカードをポケットにしまいながら教頭先生はやれやれとため息をついた。
 校則、読んでないっす。
 ……今も読んでないけど、前世でも一度も読んだことないっす。
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