転性悪役令嬢~昼は少年、夜は少女~破滅フラグ回避頑張ります
 ギリギリと奥歯をかみしめたその顔。うわー。黒い煙が。
「もし、あの時剣の型で不正がなかったとしても4位がせいぜい。4位だったとしても……Sクラスには逆転できなかった……」
 あ、不正って言っちゃったよ。
 変だとは思ったけど、フレッドは不正だと断言した。何か思い当たることあるのかな?
「まだまだだ。もっと力をつけなければ……」
「おいおい、フレッド、みんな喜んでるんだ。反省とか次への教訓とかそんなん後回しで、喜ぶところは一緒に喜ぼうぜ!」
 マージがフレッドの背中をバンバンと叩く。
 あ、黒い煙がどっか消えた。
「そうですね。5位か6位で終わると思っていたのが、3位です!リザークのおかげですっ!」
 フレッドが明るい声を出すと、クラスメイト達もリザークよくやった。リザークありがとうと、私に声をかけてきた。
「ううん、みんなが頑張ったおかげだよ。次は数学のテストみたいだけど、みんなで頑張ろうね!」
 にこっと笑う。
「私、数学苦手なんだ……」
「大丈夫、私が教えてあげるよ」
「また、残って特訓するか?」
「そうだね!また日が暮れるまで特訓しましょう!」
 えー、日が暮れるのはやばいんですけど……。いっそ、早朝特訓にしません?ねぇ?
「サーシャは数学のテスト満点だったんだよね!いろいろ教えて!」
 サーシャが困った顔をする。
「ごめんなさい、あの、私、家には暗くなる前に帰らないといけないので……」
 よし。私一人帰るわけじゃなきゃ、不自然じゃなさそう。
■57
「俺も数学得意だぜ?俺が教えてやるよ!」
 マージがにかっと笑う。
 しかし、なんか、みんな無言。
「な、どうしてだよっ、俺、1問間違えただけだよ?名前をちょっと書き忘れて……0点だったけど……」
 いや、点数の問題じゃなくて、たぶん……。
 教え方、下手そうじゃね?理路整然とってより、感情直球型っぽいじゃん、マージって。
「そうだ、明日学校休みじゃん、俺んちでテスト勉強しないか?」
 マージがいいこと思いついたとばかり手を叩く。
「へー、テスト勉強のために集まるのですか」
 フレッドが面白そうだと声を上げる。
「マージ君の家って……伯爵家のお屋敷でしょう?」
 庶民の子がびっくりして声を上げる。
「いいの?その、私たちみたいな人間が行っても……」
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