カウントダウン
私は部屋の中で忍のことばかり考えていた。


そして、今日、本当に襲ってくるかもしれない忍の呪いのことを考えると、不安ばかりが募っていた。


だけど、今日という一日さえ凌げば、忍が何度も予告してきた呪いへのカウントダウンがウソだということになり、私は忍の呪いの不安から解消される。


そうだ……、今日一日さえ凌げれば……。


私が真剣にそんなことを考えているとき、私のスマホが急に鳴って、私はふと我に返った。


そして私はスマホに手を伸ばし、電話をかけてきたのが誰だかわかると、思わずほっとして電話に出ていた。


「もしもし愛美？

何してた？」


私と雄太が付き合い始めて三ヶ月が過ぎていた。


雄太は本当に優しくて、私の理想の彼氏だ。


私はそんな雄太にちょっと沈んだ声でこう答えた。


「部屋にいたよ。

学校休みだもんね。

私……、考えごとをしていたんだ……」


私の声が沈んでいることに気づいた雄太はすぐに言葉を返してきた。


「何か元気ねぇな。

考えごとって何だよ」


雄太にそう言われて、私の頭の中に真っ先に忍の顔が浮かんできた。


教室でいつもうつむいていた忍の顔ではなくて、額から血を流し、血色の悪い顔で私をにらんでいるあの顔だ。


私はそんな忍の顔に寒気を感じながら雄太に話しかけていた。
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