カウントダウン
(忍の遺書を見つけるのは大変だけど、私はどうしても忍の遺書を見つけなくちゃいけないんだ。

忍の遺書に何が書いてあるかはわからない。

でも、忍の遺書に忍の呪いを解く何かが必ずあるはずだから)


私はそう思った後に固く目を閉じ、忍の遺書があるはずの忍のアパートのことを考えた。


(忍のアパートには日中から酒に酔った忍の父がいる。

あの人をどうにかしなくちゃ、私は忍の遺書を探せない。

どうすればいいのだろう?

その答えを見つけなくちゃ)


私は今日、忍のアパートに行って、忍が学校から帰ってきてもつらい生活をしていたことを知ってしまった。


そんな忍の生活は出口がなく明かりも見えないトンネルに閉じ込められているみたいだ。


そしてそんな暗闇のトンネルから抜け出すことをあきらめた忍は、歩くことを止めて立ち止まり、深い絶望の中でうなだれていただろう。


きっとそのことに気づいた人は一人もいない。


忍は誰もいない暗闇のトンネルの中で、ずっと助けを求めて悲鳴を上げていたかもしれないのに……。


私がそんなことを考えていたとき、部屋の照明が急に点滅し出して、しばらくすると消えてしまった。


私は急に暗くなった部屋の中で辺りを見回し、照明が消えた理由を探していた。
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