ミハエロの夢化粧 ピンクの薔薇で叶う夢
 少女は十歳、恋をしていた。名はミハエロ、金髪で瞳が宝石で出来ていた。泣くと水晶を溢して消えなかった。背は小さく、国は異国であったー。
 美貌のミハエロは、年若く化粧に励み美貌、美貌と言っていた。庭には叶わない夢、薔薇の花になりたかったと言うー。薔薇の精になりたいわ。一輪花の精に。そう言っては泣いた。叶わない。
 私の方が、薔薇の花より醜いわ。泣いて水晶を溢し、それを薔薇は見ていた。少しだけ庭を見て、美しい宝石が周りに散らばっていた。奉公人ししぇえは、その場で自害したと言う。叶わない。ほんと神っていたのねー。そんな奉公人も五十は越え、閑散とした城に、波打つ事は無かった。
 思うの。ピンクの薔薇で叶う夢、私のミタマを薔薇の花としてくれないかしらー。思うの。逢瀬は暖かい春が良いわ。そのピンクの薔薇には力があって、弱い私を愛して、きっとエデンにだってお呼び下さる筈よー。泣いて、そう言った。ししぇえの顔が浮かんだ。銀髪で赤い目をしたシヴァ。そんな事を思ったわ。私達は花の下で愛し合えたわよね。ある日どうしようも無かった因業が晴れて、花を育てても家の中に呼んでも、神様が嫌わなくなったとしたら、私を、その薔薇の神にして下さい。
 愛してー、シヴァ。今は無きししぇえにそう言った。ししぇえは笑わなかった。一日で自害したから。噂に寄ると、ししぇえにミタマは無かったと言う。ミハエロはとある逸話を聴いたー。
三メートルーの女神。そんな美貌の女が昔いたと言う。頭にはあり得ない程美しい細工品を拵え、余りにも美しい見栄え、目は大きく黒いー、髪は美しく長く兜と結ってあると言う女神。全てを終わらす、女シヴァー。水晶生みの最後ー、女ですものねー。瞳を燻らしー、殺した。彼女ー?生んだ水晶をみな喰らいー、搔き消えさせ城に招きー、全ての美し過ぎる女のサイゴー。
 そう指し示したー。思う事、ある?生意気にもー。ししぇえは、良い男だったわよ。噂では色色威宮を束ねた王君が、その女シヴァだと言うー。名は幼児名を、雛と言った。もう、そう呼ぶんじゃ無いわよ。
 今は、出家をして名を黄色としたと言うー。そこまで自分を卑下するか雛ー?しますわ。あたしは色色示唆しますわ旦那あ。笑われた黄色は、ミハエロを喰ってやると言ったと言う。喰われて泣いて、その美貌とか思うわ。
 そう、あたしには何の力も無い!愛くるしいとミハエロみたく言われる事も無い。
黄色は泣いて、水晶イ、水晶位と一つ溢して殺したと言う。ししぇえは彼女のお気に入りだったそうだ。美しい水晶が、春模様に映える事は無かったー。黄色の法要でござった。

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