藍先輩の危険な溺愛レッスン。
ついそんな嫌なことを考えてしまう。


だから、無意識に握っていた手に力をこめた。


すると先輩も強く握り返してくれたので、胸の奥が熱くなる。


藍先輩に対する気持ちが、わからないなんて言ってるくせに、答えなんて一つしかないのかもってぼんやり思う。


だけど、確かめてみたい……。


先輩となら一緒に答え合わせをしてみたい。


そう思いながら自然に笑いかけたら、彼は眩しそうに瞳を細めた。


「よかった、愛菜ちゃんが笑ってくれて」


彼は心から安堵したように小さくため息を漏らした。


凄く心配をかけてしまっていたことに改めて気が付いた。


彼が私のことを大切に思ってくれている安心感に包まれていた。


保健室にはゆったりとした時間が流れていてこのままずっと、ここにいたいとさえ思った。


先輩と二人きりでずっと……。
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