藍先輩の危険な溺愛レッスン。
レッスン5

キスのゆくえ



それから数日後、3時間目の授業が終わるとそそくさと次の授業の準備をすませて席を立った。


一番後ろの席だから、急いで出て行ったら目立たないはず。


ポケットには今朝靴箱に入れてあった手紙がある。


『それってラブレター?』


今朝も一緒に登校してくれた藍先輩にすぐに気づかれた。


『そうみたいです』


朝からテンションが下がりに下がってしまった。


だってこういうのをもらったからにはお返事を期待されてしまうわけだし。


断るのに勇気も体力もたくさん使わないといけない。


『誰?』


『あ、覗かないでください』


手紙をこそっと読もうとしていたら先輩が顔を近づけてくるから焦って後ずさりする。


背中が靴箱にあたるけど、彼はなおも近づいてきて。


『……っ』


距離が近いよ、先輩。


『なんて書いてあるの?』


『えっと』
< 134 / 332 >

この作品をシェア

pagetop