藍先輩の危険な溺愛レッスン。
彼は小さくため息を吐いて靴箱に手をつき私を見下ろしている。


感情の読めない瞳に真っ直ぐに見つめられドギマギする。


毎朝、満員電車で先輩と密着しているけれどそれは不可抗力みたいなもの。


こうして追い詰められると一気に身体中の体温が上がっちゃう。


先輩ったらどうしたのかな?


壁ドンならぬ靴箱ドンをされて焦っていた。


まだ早い時間だから周りに生徒がいなかったけど、こんなところを誰かに見られたら恥ずかしいよ。


先輩だって変な噂がたっても困らないのかな。


『3時間目の休み時間に視聴覚教室に来てくださいか……密室で何を企んでいるんだかな』


彼は不機嫌そうに前髪をかきあげた。


どうやら、私が恥ずかしがってる間に勝手に手紙を読まれたみたい。


『オッケーじゃあ、また3時間目の休み時間に』


『え?ついいてきてくれるんですか?』


『うん、いいよ。暇だし』
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