藍先輩の危険な溺愛レッスン。
「あの日きつく言い過ぎたね。ごめん」


優しく頭を撫でられて、また泣きそうになる。


「ううん、そんなことない」


ほんとはわかってるの。悪いのは私の方だって。


だけど、意地になってしまって自分から謝れなかった。


「あの日愛菜ちゃんを探してたとき心配で頭がどうにかなりそうだった。
愛菜ちゃんに何かあったらどうしようって」


真剣な表情で真っ直ぐに見据えられて胸がトクンと鳴った。


「ごめんなさい」


「愛菜ちゃんを守れなかったどうしようって。そう思ったら怖くなって」


彼は眉を寄せて小さく息を吐く。


「俺、もしそんなことになったら自分が許せない……」


「私が悪かったの、ごめんなさい。これからはちゃんと気を付けるから」


そんな風に自分を責めないで先輩。


お願いだから。


先輩がどんなに私のことを大切に思ってくれているのかようやくわかった。
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