藍先輩の危険な溺愛レッスン。
そしたら雪乃さんもその時、私と同じ気持ちになったんだろうか。


ううん、今の私よりももっと新しくて嬉しい変化の日々だったろうな。


彼女の隣には藍先輩がいつもいて。


きっと誰よりも彼を支えた。


そして、藍先輩のことをもっと好きになっていったのかな。


今の私のように。


期待して、そして……。


「愛菜ちゃんを見てると羨ましいな。ほんとに可愛くって純粋で……」


彼女は優しく私に微笑みかける。


だけど遠くを見るような懐かしむような視線。


その笑顔は泣きたくなるほどはかなくて。


いまにもふっと消えてしまいそうな。


「え?愛菜ちゃんどうしたの?」


彼女は目を見開いた。


「なんでもないです」


私の様子にびっくりしているみたい。


「でも、涙が……」


うそ、私どうして泣いてるの?
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