藍先輩の危険な溺愛レッスン。
「違うんです目にゴミが……アハおかしいな。どうしたんだろ」


急いでごまかそうとしたけど全然だめ。


涙が止まらない。


「あ、うそ、どうしよう。私のせい?大丈夫?藍を呼んでこようか?」


オロオロして助けを求めるように藍先輩の方を見る雪乃さん。


急に私が泣き出したから訳が分からなくて困らせてしまっている。


「いえ、本当に違うんです。あの、すみません私はこれで。しっ失礼します」


どうして?私突然涙が止まらなくなるの?


ペコッと頭を下げて踵を返すと全速力で駆けだしていた。


これ以上みっともない姿をさらせない。


あの人の前で、ちゃんとしっかりした自分でいなきゃいけないのに。


だけど、苦しいよ。


何だかわからない不安に押しつぶされそう。


藍先輩は、どうして彼女じゃなくて私を選んでくれたの?


彼女の気持ちを知ってしまった私はこれからどうしたらいいの?


この先も彼女はずっと先輩の傍にいて。


ただの幼なじみって顔をして、彼を好きでい続けるのかな。


そんなの、嫌。


私はおびえ続けなきゃいけないの?


この気持ちはなんて言うんだろう。


このどうしようもなくドロドロした醜い心は。


きっと、嫉妬って言うんだろう。
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