藍先輩の危険な溺愛レッスン。
彼の胸のあたりをなぞるように触れた。


「私を信じて」


「……ん」


彼は照れ臭そうに頷いて私を優しく抱きしめてくれた。


「愛菜ちゃん、ごめん」


彼は、はあっと大きく息を吐いた。


「ううん」


「白状すると、嫉妬したんだ。
俺、愛菜ちゃんより年上だから、後ろから見守ってあげなきゃって自由にさせてあげなきゃって思ってたのに。
だけど平気なフリしてただけで」


真剣な顔で胸のうちを話してくれた。


「本当は俺以外の男になんて慣れなくてもいいのにってずっと思ってた」


知らず知らずのうちに彼をこんなに不安な気持ちにさせていたんだ。


先輩の優しさに甘えてずっと気がつかなかった。


「愛菜ちゃんは頑張ってたのに。
今日のことも楽しみにしていたのに。
俺のせいで台無しにするところだった」


「俺ほんとガキだな」


パシンッ。
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