藍先輩の危険な溺愛レッスン。
でもそんなこと先輩には関係ないですから。


「そうかな、わりとちいさ……おっと」


言い終わらないうちにクッションを顔めがけて投げたけどよけられてしまった。


そんなことより、そんなことより、もっと怒らないといけないことがあるんだ。


いや本来ならもっと早く怒らなくてはいけなかったくらいだよ。


「い、いまキスしましたね。先輩っ。な、なんてことするんですか」


「ごめん、つい」


これには後頭部に手をやり素直に謝る先輩。


ついって、ついって……。


「あきらめてよ。愛菜ちゃんがあんまり可愛いからいけないんだ」


「……っ」


ついつい可愛いって言葉に反応して胸が鳴る。


そんな甘い言い訳するなんてズルいって頭ではわかってるのに。


「でも一瞬あたっただけだし、セーフじゃね?」


「……」


いいえ充分アウトでしょ。


だけど、あんまり反省はしていなさそう。


くうっ、どこまでも軽い態度。
< 86 / 332 >

この作品をシェア

pagetop