運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
どうして自分の口から返事が出せないのか、綾乃は嫌になる。

急にくもる綾乃の表情に、悟はふっと微笑み表情を崩した。

「いいんだよ。」
優しい声。

「・・・?」
顔をあげて悟を見ると、悟はすべてを察している表情をしていた。

「急ぐつもりはないんだ。どうしても今言いたかったから俺が焦って言っただけ。いくらでも返事は待つからさ。大人げなく、焦ってんだ。なんか。」
照れたように微笑みながら悟は綾乃のケガした足をそっと撫でる。
「そばで守らないと不安なんだ、俺が。そばにいてもいいっていう確証が欲しくなるのは、やっぱり年取ったからなんだろうなー。自分の勢いだけでは突っ走れない感じ。」
罪悪感でつぶれそうになっている綾乃をフォローするように言葉を選ぶ悟。

その気遣いに綾乃はちゃんと気が付いている。
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