運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
綾乃は悟へのお礼を必ず仕事の合間にメールした。

仕事が終わるのは相変わらず深夜。終電に間に合うかどうかというぎりぎりの戦いを毎日続けていても綾乃はもう苦ではない。

いつも綾乃の帰りを悟は駅で待っていてくれる。
終電を逃してしまった時は、悟が会社まで迎えに来てくれることもあった。

休日にシステム異常で呼び出されたときも、仕事の合間に悟が会社まで送ってくれることもあった。


「支度してくるね」
「おう」
まだ寝ぐせ頭の悟がキッチンで料理を始めている。
綾乃はいつものように自分の部屋に戻り、シャワーを浴びて身支度を整える。

1か月前まで、想像もしていなかった満たされた日々。
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