運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
「ちょっとふらついてる」
綾乃の様子を見るだけで、その日の綾乃の体調もわかるようになった悟。
少しの変化も見逃さない。

綾乃の肩を抱きながら、綾乃がころばないように気を付ける。
「お土産はいらないって言ったのに。」
「いいの。私の楽しみだから。おっと。」
玄関でつまずきそうになる綾乃。でもがっしりと悟が肩をつかみすぐに支える。

「大丈夫か?」
「ん?」
「大丈夫?」
「うん。ありがとう。」
夕方から夜にかけては綾乃はいつも以上に話を聞き取りにくい。
悟も、聞こえが悪くなっていることを感じる。

2週間に一度の病院には悟は必ず車で綾乃を送りつきそう。
診察には付き添えなくとも、ロビーで綾乃を待つ。

悟は綾乃をまるごと包み込むように支え始めていた。
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