運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
「はい、薄井です。」
悟は電話に出る綾乃を見て、嫌な予感がしていた。

システム異常で綾乃が呼び出されることは少なくない。
この時間帯の電話はその可能性が高い。

時々は実際に現場に向かわなくとも済むこともある。
でもほとんど綾乃は現場に呼び出され帰宅が朝方という状態。

しかもだいたいが、帰宅してから仮眠をとりいつものように出勤する。

今の段階ですでにふらついている綾乃。
朝まで仕事をする体力は残っていないことは悟もよくわかっている。

それでも責任感の強い綾乃は仕事の手を抜かなかった。

「わかりました。今から一時間後に現場に集合でお願いします。」
綾乃の言葉に悟は気づかれないようにため息をついた。
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