運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
「終わったら連絡して。何時でもいいから。」
現場へ着くと悟が綾乃にバックを渡しながら言う。

「大丈夫。寝てて?」
何時になるかわからない綾乃は、悟に申し訳なくてそう言う。
「ダメ。寝て待ってるから、連絡して。心配だから。」
ひかない悟に綾乃は「うん」と返事をして、後ろ髪をひかれる思いで現場である会社に入っていった。


その後ろ姿はすっかりキャリアウーマン。
ヒールのかかとをならして、手には大量の資料を持ち、颯爽と歩く綾乃を見ながら、自分の前だけ、少し力を抜いてくれる姿を浮かべる悟。
どちらの綾乃も好きだ。

でも。寝起きの無防備な綾乃の顔が一番悟は好きだ。
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