運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
綾乃の体を支えたままで、悟は頭を下げる。

下げたままあげられない顔。

悔しさの分、唇をかみしめる。

「ただ・・・幸せにしたかったのに・・・。好きで好きでたまらなくて・・・一緒に居たくて・・・世界中の誰よりも幸せにしたかったのに・・・・。何やってんだよ・・・俺・・・。」

自分を責めることをやめられない悟。

綾乃は何も言わない。

こんなことを言ってもなおさら綾乃を苦しめるだけだ。

必死に涙を止めようとする悟。
ギュッと瞳を閉じて、浮かんでいた涙を地面に大粒の涙にして落とした。
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