エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
「好きだ、百合。これから先、何があろうと堂々と百合を守れる権利を俺にくれないか?」
「……っ、」
「もう二度とひとりで涙を流させたくない。百合が泣きたくなったときに、一番そばで支えられる男になりたいんだ」
耳元で熱のこもった言葉を囁かれ、身体の芯が甘く震えたのがわかった。
今、もしかして私は近衛先生に告白されたの?
──なんて、こんなの、私が見ている都合のいい夢に決まってる。
けれど鼓膜を揺らす心臓の音も触れ合う熱もリアルで、すべてが現実であることを私に強く教えていた。
「百合、返事は?」
「で、でも、私じゃ……近衛先生には釣り合わないです」
反射的にまつ毛を伏せて近衛先生から目をそらそうとした。
けれどそれまで頬に触れていた手がすぐに私の顎を掴んで、下を向くことを許さなかった。
「そうやって焦らして、俺の反応を見ているのか?」
「じ、焦らしてなんか……」
「そうか。じゃあ、俺を煽っていると捉えていいな」
「ん──っ!」
次の瞬間、唇と唇が重なった。
私は咄嗟に近衛先生の胸を押し返したけれど、ビクともしない。
むしろ、いつの間にか後頭部にまわされていた手に、逃げ道を完全に塞がれている。
こうなるともう、私に抵抗する術はなかった。