クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「初めまして。宝生遥人です。たくさんのご迷惑をおかけしてすみませんでした」

 宝生さんが頭を下げる。

「姉の秋乃です。迷惑なんてかけられていませんよっ」

 姉がおろおろしながら対応する。

「インタビュー記事とか、私が誤解に拍車をかけたところもありますし、申し訳なく思っています」

「いえ。こちらが言葉足らずだったからです。これからは小春を不安にさせないようにします」

 遥人さんの真剣な表情に胸がキュンとする。

 それは姉も同じだったようで、顔を真っ赤にして私の背中をバシッと叩いた。

「めちゃくちゃカッコいい人じゃない!」

「うん……」

 姉は背筋を伸ばして遥人さんを見上げる。

「わざわざご挨拶していただきありがとうございました。これからも小春をよろしくお願いします」

 姉の言葉を耳にして急に目の奥が熱くなった。涙もろい方ではないのに。

 涙でかすんだ瞳に遥人さんを映す。彼は姉から私へ視線を流して微笑み、そしてまた姉へ戻した。

「はい。こちらこそよろしくお願いします」

 まだ今日という日が始まったばかり。それなのにすでに胸がいっぱいいっぱいになっている私は、夜を迎えるころにはどうなっているのだろう。
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