クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「それは分かりませんが、まだまだ子供の私にも、スタッフとして敬意を払ってくださる素敵な方ばかりです」

 彼らにとって私は孫と変わりない年齢だ。そんな小娘に世話をされても、嫌な顔をするどころか感謝されるばかり。

 介護業界はメンタル的にも厳しいとされているけれど、私はとても恵まれた環境で働かせてもらっている。

「祖母から、白峰さんの話はかねがね聞いているよ」

 えっ、と足が止まる。なにかよくない話をされているのだろうか。

「そんな不安そうな顔しないで。祖母はいつも、可愛いスタッフさんがいて、すごく気にかけてくれるから嬉しい、と話していたから」

「そうですか。それは……よかったです」

 あからさまに安堵する私を見下ろして、遥人さんは切れ長の目を優しげに細めた。幼い娘さんがいるだけあって表情が柔らかい。

「宝生さ……おばあさまは、人見知りされますか?」

「そうかも。あまり自分から話さないタイプかな」

 それなら時間が経てば、他の入居者とも打ち解けられるだろう。
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