クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「宝生さんの車ってなんだった? 私もそろそろなにを買うか考えないと」

 姉は車を買える貯金はあるのだが、たくさんある種類からひとつだけを選べないらしい。

「黒い車だったよ。馬のマークがついていたかな」

「馬? もしかして金ベースに赤と黒の縞々?」

「そうそう、そうだった」

「誰もが知っている高級車じゃん!」

 姉の大声に驚いてビクッと肩を揺らす。

「そうなの? 私、車について詳しくないから」

「中古マンションなら買えなくもない値段だよ……。宝生さんって何者?」

 さっき乗せてもらった車が、とんでもない値段だと知って愕然とする。

 汚したりしてないよね。大丈夫だったかな。

「小さい子供がいるならハイブリットかな。うわっ。最高速度こんなに出るの?さすがスポーツカー」

 放心状態の私の横で、姉がスマートフォンを弄りながらなにやら呟いている。

「そういえば私、宝生さんの名刺もらった」

「見せて!」

 姉は顔をぱっと上げて、好奇心に満ちた瞳を私に向ける。
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