クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「どこにやったかな。お財布に入れたっけ」

 あの日はドタバタしていたし、気が動転していたので細かなところまで覚えていない。

「あれー。どこだろう」

 財布を隅々まで探したけれど見あたらない。手を動かしながら、ふと重大な事実を思い出した。

「そういえば名刺に、ホウショウアンドカンパニーって書いてあった」

 名字と同じ社名だ、と、あの時たしかに驚いたのに。次から次へと衝撃的な出来事が起きて、すっかり頭から抜け落ちていた。

 もしかして、とんでもない立場の人?

「ホウショウアンドカンパニーって聞いたことある」

 姉が再びスマートフォンと睨めっこを始める。

 よくよく考えたら、ロイヤルライフ星が丘におばあさまが入居されるくらいだ。生活水準がとても高いのは最初から分かりきっている。

「小春! ホウショウアンドカンパニーって、ウエディングドレスの会社! モデルのirohaが結婚式の時に着ていたドレスも、ホウショウアンドカンパニーのだよ!」

 これでもかと声を張り上げる姉とは対照的に、私はびっくりしすぎて声が出なかった。
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