クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
 ふたりきりになった車内では、身を固くしている私と違って、遥人さんは随分とリラックスしているように見えた。

 姉と暮らす私のマンションに到着して、今日のお礼を改めて伝えた。

「ありがとうございました」

「こちらこそ結愛の相手をしてくれてありがとう。それと自転車だけど、明日には届きそうなんだ」

「明日は姉が休みなので、受け取れるようにお願いしてみます」

「重ね重ねお姉さんには迷惑をかけるね。やっぱり挨拶させてもらえない?」

「いえいえ。本当におかまいなく」

 姉は感情を隠そうとしない人だ。遥人さんに会わせたら、とんでもないイケメンだと大騒ぎするのが目に見えている。

「受け取ったら、ご連絡しますね」

「ああ。悪いね」

「えっと、それでは、失礼します」

 昨日もそうだったけれど、上手な切り上げ方が分からない。どうしてもたどたどしくなる。

 不慣れな私に、遥人さんは温かな眼差しを送る。

 彼の綺麗な顔を見ていられなくなり、帰ろうとドアに手を置いたところで腕をやんわり掴まれた。
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