褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません
先程の憶測通りなら……。

勉強する時間があまり取れず、結果、テストでいい点を取れなかった。

それで元気がないのかもしれない。



「あー……」



苦笑いで言葉を詰まらせた実玖ちゃん。

この反応は絶対何かあったな。



「もしかしてさ……俺が関わってる?」

「えっ、と……」



恐る恐る尋ねるとわかりやすく動揺し始めた。

あぁ……やっぱり俺のせいだ。
ごめんね実玖ちゃん、本当にごめん。



「ごめんね……俺がテスト前に強引に話し合いなんかしたから……」

「えっ……? 何の話ですか?」



深々と頭を下げたが……あれ? 違った?



「こないだ話し合いした時、時間気にしてたじゃない? もしかして、勉強する時間がなくて焦ってたのかなって」

「あぁ! いえ。あの時は説明する時間が足りなくて焦っていただけです。テストは上手くいったので安心してください」



説明を聞き、安堵した。

良かった。成績が悪くて親に怒られたとかじゃなくて本当に良かった。


……って! そうじゃなくて!
テストじゃないなら、一体何……?
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