褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません
『…………なんて、言うと思った?』

『お前みたいなデカくて細いだけの女と付き合うわけねーだろ』



最後に会ったあの日──冷たく吐き捨てられた言葉が次々とフラッシュバックしてきた。


嫌だ。こんなところ、西尾先輩に見られたくない。

震える手を押さえて彼をキッと睨む。



「私のこと罵ったくせに、調子のいいこと言わないでください……っ!」

「実玖ちゃん!」



震える声で言い放った瞬間、西尾先輩が慌てて駆けつけてきた。



「行こう」

「っ……」



そのまま手を引かれ、店を後にした。



「少し落ち着いた?」



人気のない休憩場所に移動した私達。

隣に座っている先輩の顔を直視できず、少し俯いたまま静かに頷く。



「さっきの人は……知り合い?」

「……はい」



耳に響いてきた優しい声に胸がキュッと締めつけられる。


……今、どんな顔で私を見ているんだろう。

ただでさえ元気なさそうだったって心配させてしまったのに。

こんな落ち込んでいる姿を見せるなんて……ダメだな。



「ごめんね。俺がもっと早く来ていればこんなことには……」

「先輩は何も悪くないです! 私が……私が弱かったのが悪いんです」
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