褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません
前に座っている可南子が私の後ろに座っている彼に呼びかけた。

私も一応訳してきたけど、自信ないんだよね。



「私も見ていい?」

「うん、いいよ。合ってるかは保証できないけど……」

「ありがとう!」



可南子と一緒にノートを見せてもらうことに。

わぁ、綺麗にまとまっててとても見やすい。
頭のいい人はノートの取り方まで違うんだなぁ。



「ねぇ、須川ってモテるでしょ。頭いいし性格いいし。おまけにイケメンだし。彼女いる?」

「えっ」



須川くんは可南子からの質問に目を見開いて固まってしまった。

首席入学者だからな。密かに人気はありそう。



「いないよ。そもそも彼女いたことないんだよね」

「えっ、マジ⁉」

「うん。ずっとサッカーと水泳やってたから、あまり女子と交流する機会なくってさ」

「そうなんだ。なら告白はされたことある?」

「それもないよ」

「えっ……」



今度は可南子が固まってしまった。


多分、既に彼女がいると思われて、誰も告白してこなかったんだと思う。

もし彼女いませんって知られたら、女子達は放っておかないだろう。
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