褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません
学校を後にし、そのまま家ではなく、駅の近くのドラッグストアへ足を運んだ。



「誕生日プレゼントをあげるなんて、実玖は優しいね~」

「高校に入ってからなんだかんだ助けてもらってるから……」



可南子と一緒に制汗剤のテスターを腕に塗る。

今月に入って新しくお小遣いを貰ったので、今日は兄の誕生日プレゼントを買いにきたのだ。


テスターを塗りながら、雪塚先輩に教えてもらった制汗剤を探す。



「あった!」



商品棚からお目当ての制汗剤を手に取る。


あとはフレグランスミストだけ。

詳しく聞いたら、『ドラッグストアにも売ってたよ』って言ってたんだよね。



「実玖~、探してるのってこれじゃない?」

「あ!」



可南子が指差したのは、探していた青いボトル。


テスターで匂いを確認する。

……うん! 間違いない!



「ありがと〜」

「いえいえ。私もよくミスト使うからすぐわかったよ」

「へぇ~。何使ってるの?」

「えーっとね……あ、これ。マリン系の爽やかなやつ。ユニセックスだから男子にも人気らしいよ」
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