褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません


それだけで泣いちゃうなんて……感情豊か過ぎ。


確かに、2ヶ月前は顔を見るのも怖かった。

でも今日は、ほんの数分間だけだったけど、ちゃんと先輩の顔を見て話せていた。


まだ完全に緊張は解けてないけれど、少しずつ慣れてきていると思う。



「……ん? もしかしてお兄ちゃんもショーに出るの?」

「もちろん。あ、ウォーキングの仕方とかはちゃんと教えてもらえるから大丈夫だぞ」



ドヤ顔で返答した兄。
お兄ちゃんも出るんなら心強いな。


元々服川高校には、名前の通り服飾系の学科があった。

だけど、昔に比べて子どもの数が少なくなって、受験する生徒数も減ったから、20年くらい前になくなったんだって。


学科があった当時は、毎年文化祭でファッションショーをやってたみたいだけど、学科がなくなったのと同時になくなってしまった。


しかし、当時の生徒達から復活を望む声が多かったため、去年から手芸部が主催で再開したとのこと。

おかげで、去年のショーはかなり盛り上がったそうだ。



「デザインは毎年新しく考えてるんだけど、服は1から作ると時間がかかるから、生徒達から着なくなった服を集めてリメイクしてるんだ」



ファッションショーの服について説明を聞く。

じゃあ去年見たドレスもリメイクなのか。
手芸部すごいな……。
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