白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
力との電話を切った後、俺は弟の誠人に電話をかけた。
相変わらずぶっきらぼうな誠人だったが、
自慢の兄貴だから・・・と言ってくれて、とても嬉しかった。
それから、両親に電話をした。
照れ臭い。
女の子のように『今までお世話になりました』なんて言えるわけない。
明日忘れ物がないようにって心配するお袋の声を聞いていると、
高校時代を思い出した。
忘れ物の多い俺は、いつもお袋にそう言われていたんだ。
小学校の頃、給食袋を忘れた俺の為に学校まで持ってきてくれた。
部活にお茶を忘れたこともあった。
文句も言わず、俺の尻拭いをしてくれたお袋。
「明日、よろしくな。あ・・・それと、今までいろいろ心配かけてごめん」
親父は、早く寝ろと言ってすぐに電話を切った。
俺に似て、照れ屋な親父。
明日、俺は結婚します。
あなた達2人が生んでくれたから・・・
俺はここにいる。
本当にありがとう。