白いジャージ3 ~先生とバージンロード~



いつも、私は先生に送ってもらっていて、家の前まで一緒にいられる。


でも、今日は違う。



「寂しい・・・」




ポツリと呟いた私に、お姉ちゃんは言う。


「あんた、どんだけ好きなの?」



私は信号を右に曲がってしまった先生の車を目で追いながらため息をついた。



「誠人さん、かっこよかったね!彼女いるのか聞いてよ!」




お姉ちゃんが男の人の話をする姿をあまり見たことがなかったので、面白かった。


お姉ちゃんの好きになる男性がどんなタイプなのかもよくわからない。



でも、誠人さんが好みだって言うなら、なかなか面食いなんだなぁ、お姉ちゃんも。



「でも、先生よりもSっぽいよね、誠人」



いつの間にか、お姉ちゃんは誠人さんを『誠人』と呼び捨てにしていた。


そういえば、先生のことも時々『和人』なんて呼ぶもんね。






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