笑顔の花が咲くまでは#2~特殊捜査員と心理学者~
「……薬物事件について、何かご存知ですか?」

レイモンドは、アルミンから聞くように指示されていた質問をする。男性は、視線を右上に向けた。

「……知りません」

レイモンドに目を合わせた男性は、そう言って笑うとどこかへと歩いていく。

「……」

その時、レイモンドの携帯が音楽を鳴らした。

「……ちょっと待っててね」

そう言って、レイモンドはフィオナとエヴァンに微笑むと職員室を出ていった。



「……エヴァンくん、大丈夫?」

数日後の放課後の職員室でぐったりと椅子に座るエヴァンに、レイモンドは苦笑しながら尋ねる。エヴァンは「……疲れた」と呟いた。

「……それ、初日から言ってるよね」

エヴァンの言葉に、レイモンドは苦笑するしか出来なかった。苦笑した後、レイモンドは時計を見上げる。

「……さて……そろそろ約束した時間かな?」

レイモンドは、フィオナとエヴァンを見つめた。2人は、真剣な顔で頷く。そして、3人は空き教室へと向かった。レイモンドたちは、これからとある教師と話がある。

3人が空き教室に着くと、もう教師は教室におり、退屈そうに携帯を触っていた。

「……先生」

レイモンドが声をかけると、ゆっくりと男性は顔を上げる。
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