Livre magic〜温もりと冷たさ〜
痛み、そして悲しみが僕に降ってくる。みんなは僕のことが嫌いだから止めないのかな?僕はみんなから必要されていないのかな?痛い、痛い、痛い……。

僕の瞳から涙がこぼれていく。オズワルドさんは僕を馬鹿にしたように笑った後、姿を消してしまった。体の力が一気に抜け、僕はその場に座り込んでしまう。

「ノワール……」

僕の周りにみんなが集まってきた。心配そうな目をして。でも、その目を信じられない。さっきまでみんなのことを大切に想っていたのに、心が恐ろしいほど冷えていく。

「大丈夫?」

メルキュールが僕に手を伸ばした。嫌だ、触れたくなんかない!

僕はその手を振り払い、逃げ出した。誰も追ってこない。やっぱり僕は……。

息が走りすぎて苦しくなる。でも、僕の目からは涙が止めどなく流れた。




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