結果、恋をする。
雪の日。
広島の学校生活は楽しかった。
始めて聞く言葉、街並み。
海がオレンジ色に染まっていくのを見るのがすごく好きになった。
部活はバスケ部に入った。
強豪校でない分自分のペースで楽しむことができた。

2月、雪が降った。
雪のふる校門の横に置いてあるのはあたしの自転車。


「雪降るとかないな・・・。押して帰んなきゃじゃん。」


自転車の鍵を外しふと校庭を見ると、真っ白なグランドに誰かがいた。


「・・・・・・・・。」


真っ黒な髪の毛のすらっとした男の子。
こんな雪が降ってる中なにしてるんだろう。

男の子は雪の降る空を見上げていた。
綺麗な横顔に少し見とれた後あたしは自転車にまたがり家へ帰った。

あたしが彼をみた最初の日だった。



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