結果、恋をする。
春、4月、高校2年生になった。
桜の咲く校庭を眺めていた。新入生がたくさんいた。


「若いねえ・・・。」

「あんたと1個しか変わらんじゃろ。何言ってるん」


新入生を見つめていた所に広島に引っ越してきて1番仲のいい友達あやかが話しかけてきた。


「高校入ってきた時はさー、もう高校か。年とったなぁって思ってたけど、今考えると今のほうが断然年取ってるからさ!」

「当たり前じゃろ。」

「そーじゃろか。」

「違和感しかないけぇやめんさい。」


ぼそぼそあやかと話していると教室の中の人がぞろぞろ外に出て行ってた。


「どこ行くのかな。」

「入学式じゃろ。」

「あ、入学式か・・・。」


あやかと体育館へ向かった。
体育館の中ではピカピカのカバン、まだ馴染んでない制服。期待に胸を膨らませた
ドキドキしている新入生の後ろに私達は立った。


「これ何時間あるんじゃろ。」

「あやか黙って、怒られる。」

「暇じゃー。」


あやかがあたしの肩に頭を乗せて来る。


「あやかってばっ!!!!!」


あやかに怒鳴ろうとしたとき「ギィィィィィィイィ」と後ろの古ぼけたドアが開く音がした。
生徒全員が後ろを振り向くと、ドアからは入学式には相応しくないド金髪の2人が入ってきた。


「伊崎!!!!!!!」


何人かの先生がその金髪2人に近づいて行った。


「すんません、先生おーくれました!」

「遅れたじゃないじゃろ!なんじゃその髪色は!!!!」

「染める時間なかったんす、勘弁してくださいって」


金髪の1人が笑いながら先生達と話してる。
厳粛ムードだった入学式もみんながコソコソ話し出した。
あと1人の金髪はうつむいたままそっぽを向いている。


「あ・・・・あの人。」

「ん?どした?」

「あの!金髪のしゃべってない方の人!」

「伊崎弟?」

「伊崎弟は問題児の2年。伊崎兄は問題児の3年。」

「いた?あんな人達。」

「あんま来んけんけぇの。事故って。」

「事故?」

「去年の12月やったかの、バイク事故したんよ」

「へぇー。」


金髪の2人を見ながらあやかに2人の事を聞いた。

「伊崎兄の彼女と、伊崎弟とー、兄とー・・・後誰やったかいの。忘れたわ」

「あの人、グランドいた人なんだよなー。黒じゃなかった?髪の毛。」

「誰?兄?」

「たぶん弟。」

「あの二人たぶんずっとあんな髪の毛じゃなかったかいの。」

「えー。たぶんあの人だったんだけどなあ・・・。」


二人は先生に言われたようで体育館を出て行ってしまった。


「気になるーーーーーーーー。」

「あの二人ほんまは退学レベルの悪なんじゃけど頭だけはええのよ。
 じゃけえ先生たちも強ぉ言えんの。」

「ふーん。」


私はあの伊崎弟って人が気になってしょうがなかった。
今度会ったら聞いてみよう。
あの日グランドでなにをしていたのか・・・。





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