堕天使、恋に落ちる
「そう…なの」
正直、私の想像を越えていた。
もちろん甘い考えで、全部聞きたいと言った訳じゃない。
でもあまりにも残酷な事実が、胸を締め付けた。
今も尚、震えが止まらない。
私の震える手を一徹の大きな手が、優しく握りしめる。
一徹も、命さんも苦しそうに顔が歪んでいる。

「天使ちゃん、これが俺達なんだ。これまでも残酷なことたくさんしてきた。
でも俺達はそうやって生きてきたんだ。二人で」
「由那…?
いいんだよ?今ならまだ俺から逃げて……!俺は由那を自分だけのモノにして支配したいと思ってる。でも傷つけたい訳じゃないんだ。
だから今なら、受け入れる。二度と由那の前にも現れない」
「大丈夫だよ!現れないけど、天使ちゃんのことは一生陰から守るよ!」

どうしてこんなに恐ろしい二人なのに、安心するのだろう。

「もう無理だよ…放れるなんて…」
「由那?」
「天使ちゃん?」

「もう…無理なの……。
だから、放さないでよ…!
命さんも、近くで守ってくれるんでしょ?」
「もちろん、天使ちゃんが受け入れてくれるなら、喜んで!」
「由那?
ここで逃げないともう一生放せないよ?いいの?」
「うん、いいよ」

「……わかった。もう逃げろなんて言わないからね?」
「うん」
そう言うと、少し震える手で一徹が私の頬に触れた。

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