堕天使、恋に落ちる
*****一徹 side*****
俺達の話を聞いて、震えながらも“放れない”と言った由那。
その目に少しの怯えも感じられなかった。

その真っ白な心に、真っ直ぐな目にまた心が奪われる。
もう逃がさない。
逃がせない。
放させない―――――

自分の気持ちを俺達に伝え、糸が切れたように気を失った由那。
今は俺の膝枕で眠っている。


「天使ちゃんには敵わないね…!」
「あぁ、こんな女いるんだな…?」
「ん?」
「女って弱い生き物だと思ってた。俺の思いどおりにいくらでもなるって!でも………」
「天使ちゃんは、違う?」
「あぁ」
「だね!こんな小さな細い身体で、必死に俺達を受け止めようとして」
「だから、俺も全力で愛すよ!」
「そうだね」


「てかさ」
「なんだよ?」
「俺にも触らせて~天使ちゃん」
「は?やだよ」
「ちょっとだけ!頭撫でるだけ!」
「ダメだ!由那は俺の!」
「ケチー」
「ケチで結構!」
「フフ…」
「プッ…」

俺達は笑い合った。

*****一徹 side・終*****
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