堕天使、恋に落ちる
「お見苦しいとこをごめんね、天使ちゃん!
神石 命です。“神”でも“命”でも好きに呼んで?
基本的には一徹以外に“神”以外の呼び名許可してないけど、天使ちゃんならいいよ!なんでも」

そう言って握手を求められた。やっとここで命さんの顔を見る。
「初めまして、命さん。こんな格好のまま、すみません。
天川 由那です。よろしくお願いします」
一徹に負けず劣らずの、綺麗な男性だった。
握手に応えようと手を握り返そうとして、バッと命さんに手を握られた。
「え…?」

「天使ちゃんってほんとに天使なんだね…!綺麗で可愛くて、甘い…どうしよう、一徹の女じゃなかったら今すぐに俺の――――」
「おい…!命……」
「あ、ごめん。一徹、そんな怒んないで?まさかここまでとは思ってなかったから、つい……」
「手……離せ…その手、潰すぞ……」
「わかったよ!ごめんね…」
やっと手を離してくれた。

「いえ…」
「由那。
今、命に触られた手を俺の口に持ってきて!」
「え?」
「由那を抱っこしてるから、手が塞がってるでしょ?だから由那が自分で俺の口に持ってきて!」
言われたとおりに、一徹の口元に触られた右手を差し出すと、
「ん……やぁ…何…や、って…」
強く吸い付かれた。
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